旅の楽しみのひとつが、やっぱりごはん。
賢島宝生苑のお料理は、4回お世話になってきた中でも毎回楽しみにしているもののひとつ。 流石は志摩。海の幸が違う。
1日目の夕食|華味会席
テーブルに案内されると、すでに美しいお料理が並んでいた。 初日は窓のないテーブル席。でもそんなことが気にならないくらい、目の前の料理が華やかだった。

大きな白い楕円の皿の上に、色とりどりの小さな器が並んでいる。 伊勢エビが足を広げてどーんと鎮座し、刺身、たこ、貝、珍味が周りを囲む。
これがスタートなの?と思わず笑ってしまうくらいの豪華さだった。
ひとつひとつ箸をつけていく中で、個人的に一番印象に残ったのがたこ。
派手さはないけれど、噛めば噛むほど旨みが広がって、 気づいたら一番先になくなっていた。 素朴な見た目に、志摩の海の深さが詰まっていた。
そして活け鮑の陶板焼き。
テーブルに運ばれてきた陶板に火が灯る前に、蓋を持ち上げてみると…

鮑が、蓋にへばりついていた。
毎回これをやってしまう。わかっていても、つい確認したくなる。 もはや儀式のようなもの(笑)
今回は生き物大好きな次男に、火をつける前に見せて触らせてあげた。 つんつんしたり、匂いを嗅いだり、じっくり観察したあと、
「わぁーお。」
そのひと言が全てを語っていた。
鮑は火が通ると、柔らかくて弾力があって、ナイフがすっと入るやわらかさ。 素材の良さをそのまま活かしたシンプルな美味しさで、毎回これを楽しみにしている。
コースの〆に登場したのが、ごはんコーナー。
白ご飯ロボット、炊飯器に入った鯛ご飯、そして対面には職人さんが目の前で作る手こね寿司が並んでいた。
実はテーブルに通される時、手こね寿司を作っている職人さんの前を通ったのだけど、その瞬間から目が離せなかった。
「絶対食べる。」
心の中でそう決めていた。
コースを食べ終えてお腹はいっぱいのはずなのに、席を立って手こね寿司へ一直線。 鯛ご飯には目もくれず、手こね寿司オンリー。

たっぷりのタレに漬けた赤身が、ごはんの上にのった志摩の郷土料理。 一口食べると止まらない。
「あと1っぱい…あと1っぱい…」
そうやって気づいたら、6杯いただいていた。

手こね寿司を6杯食べた証が、塔のように積み上がっていた。 顔が隠れるほどの高さ。思わず顔の前に持ち上げて写真を撮ったのは言うまでもない。 (ちゃんとモザイク済みです)
食べた証を積み上げながら、達成感と満腹感と少しの後悔が押し寄せてきた。
本当はまだまだ食べたかった。でも胃は一つしかない。
ついでに興味本位でご飯ロボットにも並んでみた。 機械なのに、人間がよそうよりもふわっふわ。 三重県産コシヒカリの白ごはんが、とびきり美味しかった。 ロボット、あなどれない。

子どもたちは子供メニューを注文。 海老フライに唐揚げ、オムレツにポテト…と、旅館とは思えない充実ぶり。 しかも、このほかにスープにハンバーグ、茶碗蒸しにお造りまで付く。3男はうどんとお寿司のセットを選び、この日も全員完食。


食べられるか心配したのもつかの間、全員きれいに平らげた。
2日目の夕食|味重めぐり会席
2日目はさらにボリュームのある**「味重めぐり会席」**。 席は窓際で、志摩の海を眺めながらの夕食だった。

この日のメインのひとつが、蒸し鮑のステーキ二食ソース。

昨日の陶板焼きとはまた違う顔の鮑。 ふっくらとして、ソースがクリーミーで、これだけフレンチの世界観。 志摩の素材がフレンチになると、こうなるのか、と唸った。
そして忘れられないのが、伊勢エビの天麩羅。

箸でつまんだ瞬間から、甘みが香る。 口に入れると、ぶりぶりとした食感と濃厚な旨みが広がって、 海老の香りが鼻いっぱいに満ちた。
こんな贅沢な天麩羅があるのか、と思った。 伊勢エビを天麩羅で食べるという贅沢は、ここに来ないとできない。
2泊の食事を通じて感じたのは、素材への敬意。
凝った技より、いい素材をいい状態で出すことへのこだわり。 志摩の海が育てた鮑も伊勢エビも、料理になってもちゃんと志摩の顔をしていた。
また来年も、この食卓に座りたいと思った。

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